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lov  佳子の調教 第七章 隷属の喜び 23、24、25、26

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二十三
良明は、月曜日出社すると、朝礼とE-メールの確認を終えると、九時から営業部会議に出席した。
良明は、十一時に会議を終えて営業部室に戻ると、佳子にメールを打った。
『[資料作成依頼]
to:営業第三課 西川佳子
from:営業第三課 鈴木良明
佳子
和樹と博和から、素晴らしい報告を聞いたよ。
一ヶ月前の佳子とは思えない素敵な女性になったことを大変喜んでいる。
今日、会社が、退けたら、話があるので、お茶でも飲みにいかないか。
六時半、四条西木屋町上ル、【ミューズ】辺りでどうだろう!?
佳子の主人より』
良明は、その後社外メールを二本打った。打ちながら、佳子の方をちらっと見ると、返信メールを打つのに集中している姿が見て取れた。
二十分後、佳子から、返信メールが、良明のもとに届いた。
『[資料送付]ワード・ファイル添付
to:営業第三課 鈴木良明
from:営業第三課 西川佳子
(ワード・ファイル)
ご主人様、
メールをいただき、嬉しい限りです。
佳子は、自分の心と身体が大きく変化していくことにびっくりしています。
最初、佳子は、ご主人様に、束縛されていることに不安と喜びが入り混じった複雑な心境になり、モラトリアム状態に陥りました。
また、ご主人様からのミッションを恨んだこともありましたが、今は、一人の女として、男性と正々堂々と自然体で接することが、苦にならなくなりました。
一ヶ月前の佳子は、大人の女に見られたいと、常に背伸びをしていたのが、今は、恥ずかしくてなりません。
ご主人様の佳子への愛を今は、十分理解できるようになりました。
時間を作って頂けるということですので、喜んでお受けいたします。
今日は、どのように虐めていただけるのかを楽しみにしています。
ご主人様の奴隷 佳子』

二十四
良明が、佳子と待ち合わせている『ミューズ』に着いたとき、佳子は、一番奥の窓際の席に座って、ホットコーヒーを飲みながら、文庫本を読んでいた。佳子は、白のブラウスにベージュのカーディガンを羽織っていた。店内は、モーツァルトの『フルートとハープのための協奏曲ハ長調』が流れていた。
良明が、
「お待たせ。」と言うと、
「私も、さっき着いたところです。」
良明が、席に着くと、主人である良明に服従の意を表する為に佳子は、カーディガンを脱いだ。すると、白のシースルーのブラウスを透して葡萄色の乳首と乳房の形が、露わになった。
隣の席の若い男性同士の客が、佳子のエロチックな姿に視線を釘付けにした。凝視し続けるわけにもいかないので、その後は、ちらちらと見る程度であった。
後から来た良明の分のオーダーを取りに来たウェイターもアイスコーヒーを注文する間、佳子の姿に見とれていた。
「佳子が、最近、神々しく見えるようになったよ。」
「嫌ですわ。そんなこと言わないでください。」
「メールを見て、嬉しかったよ。急に大人になったみたいだね。」
「ご主人様のおかげですわ。」
「最近、大下課長までが佳子の変貌振りにびっくりしていたよ。」
「男の方は、女をしっかりと見ておられるのですね。」
「パンティを履いているのか。」
「いいえ、ご命令どおり着けておりません。」
「パンストを脱いで来い。」
「はい、承知致しました。ところで、今日は、時間の余裕は有りますか。」
「もちろん、今日は、佳子の為にたっぷりと空けておいたよ。」
佳子は、立ち上がると、トイレに向かった。 隣の席の若い男性同士の客は、二人の会話に耳を傾けていたこともあり、立ち上がった佳子のシースルーの乳房を諸に見えたのであった。
良明は、注文したアイスコーヒーが運ばれてきたところで、セブンスターに火を点けた。窓の外には、高瀬川の流れていて、風情を醸し出していた。良明は、学生時代、この喫茶店によく来たのである。その当時の思い出に浸っていると、佳子が、トイレから、出てきて、良明の前に座った。生足が、色っぽい。
「佳子は、ポーリ-ヌ・レアージュの『O嬢の物語』を知っているか。」
「仏文科の同級生が、学生時代、その作品のことを話していたのを思い出しましたが、当時は、私とは、無縁の文学だと、思いました。」
「実は、日本の『源氏物語』と並んで、世界的なベストセラー作品だよ。小説と同じようなことを今の日本で行うと、社会から、弾き飛ばされてしまうがね。男と女の肉体と精神は、この作品の中に十二分に内包されていると思うよ。」
「一度、読んでみたくなりました。どんな物語ですか。」
「一度、自分で読んでみるといいよ。男女関係において、君の教科書となるかも知れないね。」
「是非、読んでみます。ところで、今日は、私をどのように喜ばせて頂けるのですか。」
「えらく短絡的だなあ。佳子は、どのようにされたいんだ。」
「それを私に言わせる気ですか。」
「佳子の口から、聞いてみたい気もするが。」
「元来のサディストなんですね。」
「俺は、サディストではないと思うがねえ。」
「これから、私の部屋に来て頂けますか。少し、手料理を覚えましたので、一度、味見をしてください。」
「俺を毒見役にしようというのかね。」
「ほんまにご主人様は、意地が悪いんですね」と言って、佳子はすねた。
「ところで、俺が来るまで何を読んでいたの。」
「渡辺淳一さんの『化身』です。こういうのを読んでみたくなったので。」
「それは、随分と急成長したね。」
「ご主人様のせいですよ。」
「佳子自身が、目覚めたのだよ。俺の所為じゃないよ。自ら、大人に成ったのだよ。」
「私一人では、不可能でしたわ。」
佳子が、コーヒーを飲み終えた頃、良明が、言った。
「それじゃ、佳子の手料理と言うやつを食わせてもらいに行くとするか。」と言って、良明は、レシートを掴んで立ち上がった。
佳子も、立ち上がって、良明の後を追った。
良明は、レジを済ませると、店の外で待っている佳子に
「腕を組んで歩こうか。」
「嬉しいですけど、誰かに見られたら、ご主人様が、お困りになりませんか。」
「こんなプリティな女を連れて歩けるなって、男の花道と言うもんだ。」
佳子は、良明の左腕に密着するように自分の腕を絡めて、言った。
「こんなに幸せなこと有っていいんでしょうか。」
二人は、河原町通りの東側の歩道を腕組みをして歩いた佳子は、良明の心のぬくもりを肌で感じていた。
すれ違う人々は、仲のよさそうな二人を羨ましそうに見つめるのであった。
二人は、河原町通りを西側に渡り、タクシーに乗って、佳子のワンルームマンションへ向かった。堀川通りのマンションの前に着いた時には、夕日が、落ち、真っ暗になっていた。

二十五
佳子は、良明を自室に迎えいれると、良明にソファに座ることを勧めると、テレビを点け、自分は着ている服を脱いで、全裸になり、エプロンをした。
佳子の後姿は、はちきれんばかりのヒップが、丸見えで、食器を取り出す為にしゃがんだりすると、ヒップのあわいから、菊の御門と蚯蚓色の花びらまで見えた。
「佳子、今日は、何を食わしてくれるんだ。」
「それは、出来上がってからのお楽しみということです。お口に合うか、心配ですが。」
「佳子の愛情が篭っていれば、俺は、それだけで幸せだよ。」
佳子は、鍋に水を入れ、コンロに架け、火を点けた。ジャガイモを用意し、厚揚げ、ひろうす、糸こんにゃく、玉ネギ、にんじん、牛肉などを冷蔵庫から、取り出して生板で、玉ネギを切り、ジャガイモの皮を剥き、コンロに架けた鍋が煮立った頃に昆布を一枚浸した。
どうやら、肉じゃがかなと良明は、思った。
良明が、佳子の方ばかりを見ているので、佳子は、
「あまり見ないで下さい。テレビでも見ていて下さい。先にビールでも、飲みますか。」
「そうだなあ。ウーロン茶か、何か無いか。」
「有りますよ。」と言って、冷蔵庫から、ペットボトルを取り出し、氷を入れたグラスにウーロン茶を注いで、良明の座っている前にテーブルに置いて、
「どうぞ。少し時間が、掛かりますから、シャワーでも浴びて、ゆっくりして下さい。」と言った。
「シャワーは、いいよ。」と、断った。
良明は、テレビを見ながら、たまに、台所に立っているエプロンをしただけの全裸の佳子の後ろ姿が、気になるようで、ちらちらと見ていた。
良明は、冷えたウーロン茶を飲みながら、テレビのチャンネルを変えて見たが、これと言って、興味を引くような番組は、ないなと思った。肉じゃがと思われる食欲をそそるにおいが、部屋中に充満してきた。
この一ヶ月間の佳子の変化が、嘘のようだとあらためて思った。
「この一月で、色っぽケツになったなあ。」
「意地悪ですね。ご主人様は。」
そうこうしている内に、佳子は、テーブルに夕食を並べだした。
「さあ、出来ました。飲み物は、ビールで宜しいですか。」
「ああ、ビールでいいよ。」
テーブルに食事を並べ終わった佳子は、
「出来上がりましたので、こちらへ。」と良明を誘った。
「了解。」と言って、良明はソファから、テーブルへ、移動した。
小さな食卓テーブルを挟んで、良明と佳子は、差し向かいになって座った。食卓には、予想した肉じゃがと、秋刀魚の塩焼き、ひろうすと厚揚げの煮物と、レタスとトマトのサラダが、並べられていた。
佳子が、缶ビールのプルリング引いて、開け、良明のグラスに注いだ。良明は、注がれたグラスが、ビールで満たされると、缶を佳子から、取り上げ、佳子のグラスに注ごうとすると、佳子は、両手で、グラスを持ち上げ、良明が、注ぎやすいように前へ差し出した。
良明は、佳子に注ぎ終わって、
「一段と、色っぽさを増した佳子の美しさに乾杯。」と言った。
「嫌ですわ。そんな言い方。お口に合うかどうか、分かりませんが、どうぞ。」と佳子が、言った。
「それじゃ、まず、毒見をしてみよう。」
「意地悪やわー。ご主人様は、」
良明は、まず、大好物のひろうすの煮物に手を出した。口に入れて、味わって見る。
「美味い。これなら、死ぬことはない。」
「もう、イジワルー。」
「どうして、俺が、ひろうすが、好きなのを知ったのだ。」
「会社の食堂で、ご主人様が、美味しそうにひろうすを食べているところ、見たのです。」
「そうか。見られていたのか。子供のころからの大好物や。それと、肉じゃが。こっちは、どうだ。」と言って、肉じゃがに箸を付けた。良明は、下味に昆布を使ったなあと、思った。
「何処で、この味付けを覚えたんだ。」
「この一ヶ月、悪戦苦闘したんです。」
「一ヶ月で、この味を出せるようになったのか。すごいよ。佳子は。」
「そんなにほめても、何にも出ませんよ。」
「これだけで、十分だ。」
二人の会話は、弾み、ビールも、食事もすすんだ。
「お前は、いい奥さんに成れるよ。俺が、もっと、若かったら、お前にプロポーズしていただろう。」
「私は、ご主人様に喜んで頂ける事でしたら、何でも、出来るようになると思います。」
「大変、嬉しい事だよ。」
「そんなこと言われると。」
「実は、今日、お前にじっくりと、話したいことがあったんだ。」
「あらためて、何ですか。「ご主人様からの命令でしたら、何事でも従います。今日は、佳子を抱いて下さい。お願いですから。」
「そのエプロンを取って、佳子の裸を見せてくれないか。」
佳子は、立ち上がって、エプロンを取り、全てを露にした。
「可愛いおっぱいだなあ。張りが、あって、乳首が、上を向いている。最近、佳子が、可愛くて仕方が無い。こっちへ、おいで。」と、良明は、佳子を呼び寄せた。椅子を引いて、膝の上に載せ、佳子の唇を奪った。
長いベーゼを交わした。左手で、佳子の右乳房を手の中に入れ、軽く揉んだ。佳子は、軽く、喘いだ。今度は左手を無毛のクレバスに突っ込んだ。佳子は、唇を外し、仰け反った。
「ええ反応やなあ。」と言いながら、佳子の首筋にキスをすると、佳子は、
「あ~ん。電気が走ります。ご主人様。」
「素晴らしい身体になってきた。」と言うと、佳子を起こし、立ち上がらせ、自分の席に戻るように促した。
佳子は、
「もう、おしまいですか。今夜は、約束を必ず守ってくださいね。」と、慎ましやかだが、さりげなく、誘いを掛けてきた。
「随分、心境の変化が、あったみたいだね。」
「女としての、身のゆだね方が、少し、分かって来たような気がします。」
「実は、俺は、遊び金やデート代を捻出しようと思って、サラ金に手を出したことから、今では、借金が三百万円近くに膨らんでしまった。この一ヶ月というものタチの悪い町金融の手先の取立て屋に追っかけられているんだ。」
「私の貯金では、三百万円ものお金を都合がつけられないし、丹後のお父さんに頼んでみます。」
「それが、だめなんだ。」
「実は、その町金融の社長が、俺と佳子がデートしているところを見かけて、佳子の目を付けたらしいんだ。それで、二週間前から、借金を棒引きする代わりに、佳子を抱かせろと言ってきているんだ。俺は、断り続けているんだが、借金の回収が目当てではなくて、佳子が目当てらしいんだ。抱かしてくれないのなら、二人の関係を会社の連中にばらすと言っているんだ。俺には、他にも女がいるし、誰とも結婚できるわけではないし、困り果てているんだ。このままでは、会社を辞めなければならないだろう。」
佳子は、良明の『遊び金やデート代』という言葉に負い目を感じてしまい。自分とのことで良明が借金したことは否めないと思った。
「分かりました。一回だけですか。」
「いや、奴の条件は、週に一度、四回抱かせろといってきているんだ。こんな条件を飲めるわけは無い。それに奴は、サディストだと言う噂を聞いているんだ。何人もの女が弄ばれて捨てられたらしい。そんな奴にお前を渡せるわけが無いだろう。」
「分かりました。私は、ご主人様の奴隷ですから、ご主人様が、命令されたら、私は、ほかの男にでも抱かれます。でも、後生ですから、今日は、抱いてください。」と言って、涙ぐんだ。
「分かってくれるのか。ありがとう。それでは、奴に抱かれてきてくれ。」
「承知しました。」
二十六
良明は、抱き上げると、ベッドに運び、自分も、全裸になり、佳子の全身をくまなく長い時間を掛けて愛撫した。佳子の、喘ぎ声は、隣まで、届くかと思うほど、激しかった。
佳子が、二度ほど、良明の愛撫で、行った後、耐えられなくなり、
「もう、早く、ご主人様のあれを佳子に下さい。」と催促したので、
「それでは、入れるぞ。」と言って、佳子の鳥羽口に亀頭冠をあてがうと、砲身を迷わず、一気に奥の奥まで、突き入れた。
佳子は、ずぶ濡れの膣洞の痙攣を繰り返し、仰け反って、激しく頂上を迎えた。
「はあ~ん。辛いです。」と泣きながら、膣洞を各所で痙攣させながら、エクスタシーを継続させていた。
良明は、少し、引き潮になったところで、コイッスを開始し、腰を回しながら、突きまくった。
佳子は、またもや、頂上を向かえた。
今度は、良明は、仰向けに寝ると、
「上から、やってくれないか。」と言った。
佳子は、良明の腰に跨ると、女芯で、良明の砲身を捕らえると、一気に腰を沈めて行き、上下運動を開始した。ベッドが、上下に跳ねたと同時に佳子の激しい息遣いが、激しさをました。
良明が、下から思い切り突き上げると、佳子は、
「あがーん、あがーん、あぐーー。」と言って、激しく果てた。
良明は、行かなかった。
佳子の興奮が、醒めるのを待って、横に仰向けに寝かせ、しばらく佳子の乳首を右手の人差し指で、こね回した。
佳子は、乳首を刺激され、
「忘れられなくなりそうです。」
「俺を忘れるな。奴に抱かれても、俺を忘れるんじゃないぞ。」
良明は、佳子を寝かせると、起き上がり、ライトを消して、全裸で、ソファに座り、タバコに火をつけた。
堀川通りの街頭が、まぶしかった。この部屋には、闇がないのだと感じた。
良明は、衣服を整えると、残ったビールを飲んで、喉の渇きをいやした。
部屋の中は、静まり返っていた。しばらく、ソファに掛けて、セブンスターを吸いながら、一息ついた。
三十分して、佳子にキスをして起こし、
「それじゃ、後日、奴と会う日を連絡するよ。俺、帰るよ。鍵を掛けるのを忘れずにね。」と言った。
佳子は、
「ありがとうございます。」と言ったが、一筋の涙を流していた。
良明は、佳子の部屋を後にして、夜の堀川通りを今出川まで散歩して、タクシーで帰宅した。
-つづく-


lov  真夜中の愛

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真夜中の、マンションの一室の中の、ダイニング。恐ろしいほどに静かな部屋。
私はそこで、1人の男と会っていた。否、それでは正しくないだろう。
目の前に座るその男性は、サラサラの黒い髪に、切れ長の目に、闇夜を彷彿とさせる、暗い青の瞳を持っている。彼の顔は、幼い日の面影を残しながらも、立派な男性の顔だ。身長は私が顔を見るために見上げなければならないくらい、高かった。まぁ、今は座っているのだが。
一方私は、ロングの黒い髪を1つに結っていた。私の目は彼に比べて丸みを帯びているが、そこまで可愛らしい容姿ではない。瞳は彼の瞳よりは明るいであろう、青色だ。
彼は、スーツの上着を脱ぎ、椅子にかけ、私に微笑みかけた。
「ただいま。」と言う言葉とともに。私も笑顔を浮かべ、
「おかえり」と返す。いつもの会話。毎日毎日繰り返される、日常の一部分。
「じゃあ、いつものを。」彼は薄い笑みとともに、言った。下品ではない、優しい笑みで。
無論、私は「ええ、そうしよっか。」そして、彼は2人の間にあるテーブルの上に置いてあった赤紫の液体で満たされた瓶を手に取り、コルクを抜く。その間に私は、切られたチーズを取り出し、また席に着く。すると彼は、そんな私の姿を見て、ワイングラスのような形状の、美しい装飾が施されたグラスにその液体を注ぐ。グラスの数は、人数分。私と、彼の。
「じゃあ、始めるか。俺たちの夜を。」そう言うと、私たちはグラスをぶつけ、チャリン、と鳴らし、示し合わせたように、同じタイミングで口をつける。その液体の深い味わいが口の中に広がる。
「ねぇ、今日は何人の女の子と話したの?」不安になりながら、私は彼に聞く。彼は、薄く笑い、
「今日は…10人だ。」と、私の質問に答える。少し悲しくなって、じっと見ると「もちろん俺はお前のものだ。」と言ってくれた。そして、彼は真面目な顔をして
「歌恋こそ、今日は何人の男と話したんだ。」不安そうに、焦燥感を感じさせる顔で、私に聞いてくる彼。
そんな彼が嬉しくて私は、「今日はね、7人だよ。」素直に答えた。すると彼は、
「歌恋は、俺から離れていかないよな?」不安と、寂しさと、愛いろいろなものが込められた目で、私を見ながら聞いてくる。
「もちろん…私は翔から離れたりしないよ。」精一杯の思いをこめ、答える。
そして、二杯目を飲み終わると、彼は席を立ち、ダイニングをでて、どこかへ向かう。少しすると、水が落ちて行き、床に当たる音が聞こえる。その間も私は、それを飲み進める。少し飲みすぎたのか、頭がくらくらする。
「戻ったぞ。」彼がそう言うと、今度は私が席を立つ。ダイニングをでて、戻って来る頃にはあの瓶はきっと空だろうと考えながら、扉を開け、中に入り、身につけていたものを脱ぎ、蛇口をひねる。熱い湯が、私の髪から滴り、身体を伝って落ちて行く。十分に身体を洗うと、用意していたふわふわのタオルで体から余計な水分を落とし、着ていた服をまた身につける。
「戻ったよ。」私がそう言いながらダイニングに戻ると、私の予想どうり瓶は空になっていた。彼は、素面の時と変わらない顔色で、
「そろそろ行くか。」なんてことを微笑みながら行ってきた。無論私は、ええ。と頷いて、彼が立ち上がる。ダイニングの電気を落とし、向かいの扉を開け、中に入る。
その部屋には、大きな窓と、2人は余裕でー否、2人以上でも大丈夫だろうー寝れる、寝台が置いてある。大きな窓はカーテンが閉められておらず、私たちが住む街の夜景が見えた。結構高い階層の部屋なので、圧巻の眺めだ。一通り外を眺めると、私は彼の方を見て、彼も私の方を見る。彼は私を抱き寄せ
「寂しかった」と、低い、優しい声で耳元で呟く。
「私も、寂しかったよ」これは私の本心で、私の瞳には涙がたまっているのだろう。彼は優しく私の目元を拭うと、頰に手を置き、私に上を向かせる
「俺は、歌恋の物だ。」じっと私の目を見つめながら。
「私は、翔のものだよ。」そう私が言うと、彼の瞳が、顔が近くにきて、唇が触れ合う。熱く激しい、1度目の口付け。そして、私たちは寝台に移動する。私は、たどたどしい手つきで、自分のシャツのボタンを外し、スカートのチャックを下ろす。一方彼は、ボタンを1つ外し、ネクタイを緩める。
すると彼は私の後ろに座り、露わになった背中についた傷を撫でる。安心したように。彼が、私につけた印。彼はそれを優しくなぞると、口付けをしていく。
思わず、声がもれる。「ん…あ、ん…」
彼は私の前に回ると、私を押し倒し、そのまま接吻を交わした。甘く、長く、貪るような。酸素を取り入れようと開けた口に、彼の柔らかい舌が入ってくる、舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。まるで、2人は境界線など最初から存在しなかったかのように、お互いを、貪りあい、その度に流れ込むお互いに酔っていた。
銀の糸を引き、口を離すと、彼は私の胸を弄ぶ。なめ、噛み、揺さぶる。私のナカはびしょびしょになっていた。そのあと、彼の自身が差し出される。私はその先を優しく舐め、そして一気に口に含む。彼の自身は溢れんばかりの大きさだ。すると、苦いものが、口の中に溢れる。
「ん…苦い…」
「歌恋…エロい…」そう言って、彼は、私の蜜壺を舐め、じゅるじゅると音を立て、吸う。
「んっ、あっ、まっ…」久しぶりの快感に、体を仰け反らせる。
そして、今度はまた1つとなる。大きく膨らみ、本能と欲望の塊となった彼の自身は、あまりにもすんなり私に侵入してきた。
「ん、あ、翔…あんっ、んっ」
「か、れん…可愛いよ…」彼の余裕のない声。彼はまた、私の口を、彼の唇で塞いできた。唾液が混ざり、1つになる。私たちは快楽の濁流に飲まれ、息をつく間もなく、快楽に溺れ、愛し合った。
暁の淡い光の中、私と彼の吐息だけが響く部屋。世界には2人しかいないような、彼と私の音しか存在しない場所。私たちは、何度も、何度も果てた。
「ねぇ、翔。翔は私を捨てないよね?翔には私しかいないし、私には翔しかいないもんね。」私はそうあなたに語りかける。あなたは
「ああ、俺は歌恋のもので、歌恋は俺だけのものだ。俺には歌恋しかいないし、歌恋には俺しかいないからな」と、答えてくれて、嬉しかった。
「私を満たしてくれるのは、翔だけだから…」私は、そう呟く
「俺を認めて、大切にしてくれるのは歌恋だけだ…」そんな、彼のつぶやきが聞こえた。
彼のぬくもりを、隣に感じるだけで、幸せだ。甘いものほど溶ける。それが恋だっけ?でも、甘い以外の感情も、あるのかもしれない。
「私は、翔がいないと生きていけない…」震える声で、言った
「歌恋を置いて逝ったりしないさ。」そういう彼は、私の頭を撫でる。
「死ぬときは、一緒に行こうね。」きっと、2人とも、天国にはいけない。
「ああ。」でも、きっと、彼と行けるのなら…どこだって天国だ。
日が昇る。私と彼の時間が終わってしまう。そんなことを考えたとき、私の唇がふさがれ、2人が絡み合う。とても、長い時間に感じられたが、短かったのかもしれない。
お互いの味を口に残したまま、私たちは、日常に戻る。


lov  狂女

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かつての人妻三人は僕の肉棒で燃え、それぞれ一回ずつ中に精液を注がれて満ち足りた。「はあああ・・・・・」智子は両脚をだらしなく開いた格好で息を吐き、芳美も目をとろんとさせて酔い痴れており、その隣では美由紀がうっとりして娘の体を軽く抱いている。「羨ましい事」昭代が憎たらしそうに三人を見て呟いた。それから母さんが僕の垂れ下がっている肉棒を見て、「もう駄目なんですか?」と残念がって訊き、加奈も、「入れてえ・・・・」と座って股を大きく開いている。「今日はもう勘弁してくれ」ペニスをティッシュで拭こうとしたらすかさず由香が跪いて肉棒を咥え、しゃぶり始めた。「由香ったら。じゃあ私も」昭代が由香の隣でやはり跪くと、他の奴隷たちもそれに倣って両側でずらりと並んで跪いた。!
香はペニスを独占していられなくなり、仕方無く昭代に譲った。「ああ、素敵・・・」昭代は肉棒を両手で大事そうに持ち上げ、「これこそ私の命」と言って咥え込んだ。「お前も好きだなあ」昭代の目は次第に淫靡な様相を呈し、やがて舌でねっとり舐め始めた。「お前も子供が欲しいか?」「ああ、雄一様・・・あなた様のお子が欲しいです・・・・・」「どうして出来ないんだろうな?こんないい体をしとるのに」「・・・・・」日頃それを気にしているのか、昭代は俯いた。もう年齢的に無理だろうと僕は思ってもそれを口にせず、両手で彼女の頬を挟み、「これからも頑張ろうな」と励ました。「ありがとうございます」                       それから母さんがしゃぶった。「芳江・・・」名!
を言われ、母さんはしゃぶりながら僕を見上!
た。その女としての服従ぶりが何とも言えず可愛い。骨の髄までマゾに染まり、芳江は乳房を揺らしながら実の息子の肉棒を美味しそうに味わってから加奈に譲った。肉棒は予想に反してやや上向いて来ており、それを見て加奈は、「うふふふ」と笑い、肉棒をいじった。


lov  女教師と

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女教師(以下M先生)

俺が高3、卒業式の後、あまり話す機会がなかったM先生とメアド交換をした。
卒業したら先生とメアド交換するのは珍しくなかった。
家に帰りメールをすると卒業祝いという事で食事をする事になった。
俺は人が多い場所は嫌な性格なので、それなら2人という事で泊まりでM先生の家に行く事になった。
M先生は若く部屋も女性らしい部屋だった。
食事をし風呂に入った。
借りてきたDVDを観たりジュースを飲みながら過ごした。
そろそろ寝ようかという事で布団を敷き、布団の上で話していた。

段々口数も減りお互いの顔を見て微笑む。
俺はM先生のすぐ近くに行った。
顔が合うとM先生は少し赤くなっていた。
また少し会話をしたけど、お互い黙ってしまった。
もしかしたらと思い、少しずつ顔を近づけた。
M先生は照れ臭そうに少し微笑んだが、目を閉じたのでキスをした。
俺は凄くドキドキした。
またキスを2回し、3回目で舌をM先生の唇につけた。
躊躇いもなくM先生は口を開け、舌を絡ませた。
俺はキスをしたままM先生を寝かせた。
興奮した俺は胸を揉んだ。

「んっ…」

少し感じているようだった。
服を脱がせ俺も裸になった。
耳を舐めたりクビを舐めると

「はぁ…あっ」

と可愛い声を出した。
乳首を舐めながら下に手をやると、
凄く濡れていた。
クリを触ると

「あっあっ」

と言い、身体がビクっとなった。
中に指を入れるとヌルヌルしていて暖かかった。
速く動かしていくと

「あっあんあん」
「ダメ…イッちゃう。イクイクっ」

と身体を震わせながら言い

「ダメっイクっ」

と言うと、ビクビクっとなった。
俺は顔を下にやりM先生のマンコを見た。
ピンク色で綺麗で透明な液が垂れていた。
俺がクンニをすると

「あっ気持ちいいっあんっ」

と言った。
少し舐め続けると

「もうダメっイクイクイクっ」

と言ってまたすぐにイッた。
可愛いなと思いながらキスをしようとすると、M先生が俺の頭を掴んでキスしてきた。
M先生の方からしてきてくれて嬉しかったしドキッとした。

「今度は先生ね」

と言いながら俺を寝かせてきて
上に乗り少し長めのキスをしてきた。
俺の首や胸などにキスをしながらどんどん下にいった。

「凄いっ大きいね」

と言ってくれ、俺のチンコにキスをした。
そのまま舐め始めフェラをしてくれた。
激しいフェラではなく、優しかった。
凄く上手くて気持ちよかった。
俺が、

「先生、イキそう」

と言うと

「イッてもいいよ」
「先生の口に出して」

と言ってくれたので、
M先生の口の中に出した。
そのまま舐めたりして、俺の精液を飲んだ。

「いっぱい出たねおいしかったよ」

と言ってくれたが少し恥ずかしかった。

「もう出してしまったからおしまいかな?」

と言ったのでM先生を寝かせ

「先生挿れていい?」

と言うと

「元気だね 早く○○君の挿れて」

と言った。

挿れるとヌルヌルして暖かくて気持ちよかった。

「あっおっきい」

と言ってそのままキスをした。

激しく動かしていくと

「あっダメあっ気持ちいいっ」
「もう先生イッちゃう」
「イクイクイクっ」

M先生の身体がビクっとなり、マンコが締まるのがわかった。

その後バックや騎乗位などでセックスをし、

「またイッちゃう」

と言ってきた。
俺もイキそうになったので

「俺もイキそう」

と言うと

「一緒にイこ?」

と言ってきた。

「イクイクっ」

M先生の中でドクドクとなった。

その後何回もして、中には出さずM先生の顔の所まで行き口に出した。
お掃除フェラもしてくれて、最高の時間だった。


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女教師(以下M先生)

俺が高3、卒業式の後、あまり話す機会がなかったM先生とメアド交換をした。
卒業したら先生とメアド交換するのは珍しくなかった。
家に帰りメールをすると卒業祝いという事で食事をする事になった。
俺は人が多い場所は嫌な性格なので、それなら2人という事で泊まりでM先生の家に行く事になった。
M先生は若く部屋も女性らしい部屋だった。
食事をし風呂に入った。
借りてきたDVDを観たりジュースを飲みながら過ごした。
そろそろ寝ようかという事で布団を敷き、布団の上で話していた。

段々口数も減りお互いの顔を見て微笑む。
俺はM先生のすぐ近くに行った。
顔が合うとM先生は少し赤くなっていた。
また少し会話をしたけど、お互い黙ってしまった。
もしかしたらと思い、少しずつ顔を近づけた。
M先生は照れ臭そうに少し微笑んだが、目を閉じたのでキスをした。
俺は凄くドキドキした。
またキスを2回し、3回目で舌をM先生の唇につけた。
躊躇いもなくM先生は口を開け、舌を絡ませた。
俺はキスをしたままM先生を寝かせた。
興奮した俺は胸を揉んだ。

「んっ…」

少し感じているようだった。
服を脱がせ俺も裸になった。
耳を舐めたりクビを舐めると

「はぁ…あっ」

と可愛い声を出した。
乳首を舐めながら下に手をやると、
凄く濡れていた。
クリを触ると

「あっあっ」

と言い、身体がビクっとなった。
中に指を入れるとヌルヌルしていて暖かかった。
速く動かしていくと

「あっあんあん」
「ダメ…イッちゃう。イクイクっ」

と身体を震わせながら言い

「ダメっイクっ」

と言うと、ビクビクっとなった。
俺は顔を下にやりM先生のマンコを見た。
ピンク色で綺麗で透明な液が垂れていた。
俺がクンニをすると

「あっ気持ちいいっあんっ」

と言った。
少し舐め続けると

「もうダメっイクイクイクっ」

と言ってまたすぐにイッた。
可愛いなと思いながらキスをしようとすると、M先生が俺の頭を掴んでキスしてきた。
M先生の方からしてきてくれて嬉しかったしドキッとした。

「今度は先生ね」

と言いながら俺を寝かせてきて
上に乗り少し長めのキスをしてきた。
俺の首や胸などにキスをしながらどんどん下にいった。

「凄いっ大きいね」

と言ってくれ、俺のチンコにキスをした。
そのまま舐め始めフェラをしてくれた。
激しいフェラではなく、優しかった。
凄く上手くて気持ちよかった。
俺が、

「先生、イキそう」

と言うと

「イッてもいいよ」
「先生の口に出して」

と言ってくれたので、
M先生の口の中に出した。
そのまま舐めたりして、俺の精液を飲んだ。

「いっぱい出たねおいしかったよ」

と言ってくれたが少し恥ずかしかった。

「もう出してしまったからおしまいかな?」

と言ったのでM先生を寝かせ

「先生挿れていい?」

と言うと

「元気だね 早く○○君の挿れて」

と言った。

挿れるとヌルヌルして暖かくて気持ちよかった。

「あっおっきい」

と言ってそのままキスをした。

激しく動かしていくと

「あっダメあっ気持ちいいっ」
「もう先生イッちゃう」
「イクイクイクっ」

M先生の身体がビクっとなり、マンコが締まるのがわかった。

その後バックや騎乗位などでセックスをし、

「またイッちゃう」

と言ってきた。
俺もイキそうになったので

「俺もイキそう」

と言うと

「一緒にイこ?」

と言ってきた。

「イクイクっ」

M先生の中でドクドクとなった。

その後何回もして、中には出さずM先生の顔の所まで行き口に出した。
お掃除フェラもしてくれて、最高の時間だった。


lov  小田原物語 第6話

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第6話
健一の子育てを通して、典子の健吾に対する気持ちは揺るがないものになった・・と思っていた。ところが昨夜久しぶりに源二と逢ったら、源二は典子に一晩でもよいから健吾の妻の立場を忘れてほしいという。源二の気持ちは意外に真剣だった。それならと源二を愛する演技をしてみたら、それは演技に終わらず源二を愛している自分を発見することになった。そのことを広子に話すと健吾との関係は典子自身で解決しなさいと言われた。一旦家に帰るというと、源二と少し話をしていきなさいと広子はいう。

階段を上がって源二の書斎に入ると源二が笑って迎えてくれた。

広子さんに話をしていきなさいと言われた。
そうか・・・今日は家に帰るのだな。
それしかないでしょう・・・ここに居る訳にもいかないじゃないの。
居てもいいけど・・・健吾君が怒るかな・・・?
・・・・・。
そうだよな・・やっぱり帰るところは健吾君のところだな・・・?
バカ・・・人を翻弄して無責任なことを言わないでよ。

まあ、ここに座ってと回転椅子をまわして典子の方に向き手を引いた。膝に腰かけて抱き合い、しばらくキスしていた。

あのね、広子さんが・・あなたとなにがあったのかと聞くの。
なんと答えた・・?
私が去年の夏に戻ったと返事をしたわ。
広子はなんと・・・。
それでいいというの・・。

そうか・・・。
でも私・・このことを健吾にどう説明したらいいのかわからない。
正直な気持ちを言えばいいよ・・・。
あなたを忘れられないと健吾に言うの・・・?
うん・・。
言えないわ・・そんなこと。
じゃあ・・やっぱり家に帰らないでここに居るか・・?
・・・バカ。
俺はそのほうがいいのだけれど・・・。
バカ・・・。

〈健吾と話をする〉
帰ると健吾と健一はまだ帰っていなかった。台所の椅子に座ると昨夜からの疲れが出た感じだった。眼を閉じると明け方の出来事が蘇ってきた。両脚を源二の体に巻き付け、腰をくねらせながら悶えた記憶が鮮明に思い出された。健吾に抱かれて涙が出たことなど一度もないのに涙まで出たと思った。体の芯に残る源二の感覚に浸っていると、見慣れた台所の景色がまるで違って見えた。どうしたらいいの・・・と思う。

気を取り直して夕食の支度を始めた頃に健吾と健一が帰ってきた。夏の山は大変だったでしょうと健吾に聞くと、健一はよく頑張った・・無理はさせなかったけどという。お水はちゃんと取ったのねと流しに向かいながら健一に聞くと、ちゃんと飲んだよという。疲れたでしょうお風呂沸かすから、健ちゃんはお父さんと一緒にはいってと言うと、僕がお風呂を洗ってお湯を入れると浴室に走っていった。元気になった健一の姿を見ていると、ようやくここが自分の家だったとの感覚がもどって来た。

二人が風呂を終わって夕食が始まった。テーブルでの会話は賑やかだが典子は溶け込めなかった。山行のことは適当に相槌を打ちながらも、須貝の家でのことが頭に浮かんでくる。健一が健吾と一緒に家を出た頃、自分はまだ須貝と裸で抱き合って眠りこけていた時間だったと思う。時々会話が素通りする。

どうした・・。
えっ・・・あっ・・なんでもないよ。
疲れたのか・・。
大丈夫・・。

雰囲気が違うと健吾に感じ取られたと思った。健一がお母さんはお仕事が大変だね、体を大事にしてねと言う。ありがとう、お母さんのことを心配してくれて・・・と返事する。またしばらく山の話になった。今日は川でお魚を釣らなかったけれどあそこにはまた行きたいと健一は言う。「今度はお母さんも入れてみんなで行こうよ」と言われてあわててうんと返事するのがやっとだった。

健一は元気そうに話をしていたがやがて時々眠そうな目になった。健ちゃん眠いのと聞くと、うん眠くなったという。寝室に連れて行ってタオルケットをかけると、健一はとろんとした眼をしている。頑張ったのね・・。僕は頑張って歩いたよ・・面白かった。 偉かったわね・・じゃあ、お休みと言うと、うんと返事するなり健一はすぐに眠った。

台所に戻って、寝た・・と言うと、すぐに眠ることが出来るようになったのは体がよくなった証拠だと健吾は言う。そうね・・・どんどん元気になっているみたい・・と返事して、典子はテーブルに座ってはじめて健吾と視線を合わせた。健吾が笑っていた。

・・・・。
お疲れのようでしたね・・。
・・・・。
そんなに疲れたか・・?
・・・・。
朝までだったとか・・。
広子さんから・・?

ようやく返事が出来た。健吾は笑っていた。笑いの意味が分からない。

ベッドのことは話したくない・・。
いいよ・・・お互いに話していないから。

でも・・健吾・・わたし去年の夏に戻ってしまったの。
社長をまた愛してしまったことか?それも広子さんから聞いた。
聞いたの・・? 私・・どうしたらいいのか・・。
それでいいじゃないか・・。
いいわけないでしょう・・。
何故・・・?
何故でも・・・。
俺と別れたいのか・・?
そんなことは思っていない。でも健吾に対する気持ちを説明できない・・。
じゃあ話は・・またにしようか・・。
いや・・いま一緒に考えて・・。

別れたいとは思っていない・・?
うん・・健吾とは別れたくない。
でも気持は説明できないのか・・・?
うん・・。
時間が経てばできそうか?
わからない。
じゃあ・・いつか説明してくれ。

でも・・。
心配しなくていいよ。
私のこと・・健吾はいいの・・?
典子の考えを聞いていないから・・いいのかと言われても。

状況は聞いているでしょう・・。
どういう意味?
だって・・・わたし須貝さんと・・。
明け方4時ごろまで抱き合って、また去年の夏のようになったのだろう?
・・・・。

それで・・?
どうしていいのかわからない・・。
それはちょっと変じゃないか・・?

どういうこと?
つまり社長に心を奪われるのはこれで二度目だ・・何か考えはあるだろう。
何かって・・?
自分の心を決める手がかりみたいなもの・・。
私が健吾から離れるなんて考えられない。
そうか・・しばらくはこのままで行くか・・?
このままでといわれても・・。
いいよ・・今日はもう寝よう・・。
・・・・。

何か・・?
健吾・・このまま話をせずに寝たら私達の仲が壊れそう。
そうはならないよ・・。
どうして?
俺が典子を好きだから・・・。

ほんと?
当たり前だろう。
本当なの・・?
嘘をついてどうする。

もう少し話をして・・。
何を話したらいいのかな・・?

広子さんから何か言われてないの・・?
典子が去年の夏に戻った・・とだけ聞いた。
それだけ・・?

それだけだけど・・。
本当にそれだけ・・?
逆に聞くけれど何か社長と約束したのか?
何も・・。
だったらしばらくはこのままでいこうよ。

健吾・・・何故そんなに冷静なの・・・。
そんなに冷静でもないけれど・・。
だってこんな時でも私を好きだといったでしょう。
心のままをいっただけだよ。
私が須貝さんに傾いているのに・・・どうして・・?
本当に傾いているのか・・?
わからない・・でも昨日ここを出た時の気持ちとは違う。
それぐらいだったらそれでいいよ・・。

昨日源二さんに会うまではあなたの妻という立場は崩さないつもりだったけれど、須貝さんから一晩だけでもいいから俺だけを想ってくれと言われて・・・。
それから夢のようなセックスになって典子の考えが崩れた・・。
・・・・・。

よく考えたら俺との間は希薄になっていることに気が付いたということか・・。
希薄になっているなんて・・・そんなこと考えなかったわ・・。
常識的に言えば社長と一緒になると考えるのが普通だが・・。
健吾と別れられるなら悩むことはないわ。
社長が一緒になろうと言ってくれない・・と言う訳か。
源二さんは冗談だと思うけれど、ずっと居ていいよと言ったわ。
ほう・・妻を二人置くのか・・。
バカ・・・冗談に決まっているじゃないの。

それでもいいという気持ちは典子にあるんだろう
そんな・・源二さんと一緒に住むなんて・・考えてもいないわ。
冗談だとしても社長は一緒にいてもいいというのだろう・・・・?

いやよ・・健吾と一緒にいたい・・。
俺と一緒にいて・・心は社長か・・?
ちがう・・健吾も好き。

やっぱり時間を置いて話し合おうよ・・。
健吾・・こんな私を理解できる・・?
急には理解できないが、典子に対する気持ちはむかしから変わらないよ。
嘘よ・・愛想を尽かしているでしょう・・?
俺は嘘をつかない。それは典子も知っているだろう。
・・・・。

俺の言うことを信じられないのか?
信じられたらどんなにいいか・・。
俺がでたらめを言っていると思うのか?
そんな・・そんなこと・・。
じゃあ信じろよ。

ああ、困った・・。
何が・・。
どうしたらいいか・・。
とにかく今夜は寝たら・・。
寝られない・・。
じゃあ・・朝まで話を続けるか・・。
健吾・・抱いて。
どういうことだ?

気持ちが・・どうにもならないの。
気持ちが・・・?
狂ってしまった・・。
まだしたいのか・・・?
・・・・・。
これから社長のところへ車で送って行ってやろうか。
何を言うのよ・・・・。
喜んで迎えてくれるよ・・。
いじめないで・・。

涙を見せてどうする。
健吾・・いじめないで・・。
いじめに思えるか?

健吾・・抱いて。
心に何かが引っかかっていたらできないと言ったのは誰だ?
健吾・・・いや・・。
ヤケ酒と同じだ・・紛らわせても現実は変わらない・・。

どうして私・・こうなったの・・?
知らないよ・・。
あぁ・・健吾が須貝さんのところに行くのを引き止めなかったからだわ。
人のせいにするな・・・自分から喜んで行ったじゃないか。
そうだけど・・・。
もう寝ろ。
いじわる・・。
こんなことをいじわるとは言わない・・。

筋道を通す典子がその夜はめちゃくちゃだった。結婚してから初めて見せた典子の混乱した姿にいささかあきれたが、その晩は健吾が冷静だった。寝室に移って布団を二つ敷いて寝た。すぐに典子は健吾の布団に移ってきた。健吾に抱き付いて胸に顔をうずめたが健吾は賢者のままだった。健吾・・抱いてとまたいったが黙って聞き流した。

朝は健吾が先に起きた。典子を寝かしたままで炊飯の準備をしているところに典子が起きてきた。ごめんなさい・・といいながら朝食の準備を始めた。よく眠れたかと健吾が聞くと、なにかいろいろな夢を見ていたような気がするという。

昨夜話したことを覚えているか? わすれた・・。
わすれたほうがいい。
・・・・うん。

うんと答えたが忘れることなど出来る訳がない。しかし忘れろと言ってくれてほっとした。ほっとしても解決の方法はない。でも健吾は何故冷静な態度を取り続けたのだろうと思う。

〈なにか計画があったのか〉
それからの1週間は日常的には忙しい典子に戻らざるを得なかった。生徒には夏休みだが教員にはない。学校から帰ってくると健一との対応はうまくこなしていた。研修日もあったし、健吾も忙しそうで、そのために二人は別々の時間に眠り、典子は悩みを抱えたままだった。

一週間が過ぎても健吾は何も言わない。典子は自分が健吾に対しても去年の夏と同じ状態に陥っていると思った。あの時も健吾に近づけなかった。だが去年と違うのは健吾の態度だった。典子が困っていることを楽しんでいる雰囲気がある。

須貝との関係がそれでいいと言われても、そんな状態では健吾との生活にいつか破綻する。悩んでいることを健吾は知っているのに平気な顔をしている。どうしたことだろう。

そんなことを考えていたら去年の夏の須貝との関係の始まりが広子さんの計画だったことに改めて気が付いた。広子さんなら健吾を動かすことが出来る・・・。二子に行った時に話し合ったのかもしれない。何を話し合ったのだろう?

しかし健吾も広子さんも私が源二に逢うことは認めている。二人が過ごすために家まで空けてくれた。何をいまさら計画する?
私が須貝さんに夢中になるように仕向けている・・・? 私と広子さんの交換を計画しているのか・・?可能性として考えられないわけではない。しかし部下の妻と自分の妻を取り替えるなんて、須貝の社会的信用を落とすようなことをあの賢い広子さんが計画するだろうか・・・どうもこれはあり得ない。

初めての男は忘れられないものよね・・と言う広子の声が聞こえた。初めての男?・・と私が聞いたら女にしてくれた男よ・・・でもそのあと成瀬さんといろいろあったの・・と笑った顔が浮かんだ。

いろいろあった・・・どんなことだった? 同じことが自分に起きている・・? だからもう一度私を源二さんに夢中にさせる必要があったのだろうか?
源二さんは土曜日の晩、私に健吾を忘れてくれと言った。それはダメだと言うと、一晩だけでもと言われてしぶしぶその気になった。その結果の私が今の私だ。これが広子さんの目的? まるで訳がわからない。

訳がわからないが問題はここにしかないと思う。広子さんはとんでもないことを考える人だから・・。源二さんも動かされているかもしれない。でも、その先が読めない。

〈計画を知る〉
土曜日の夕方健吾が帰ってきた。最近は土曜日も仕事が立て込んでいるから出勤する。住宅金融の利率が低く新築の住宅建設が多くなったのと、金持ちが古民家の移築をすることが結構多い。ああ疲れたという健吾にあとでお話があるというとニヤッと笑った。何を笑うのよと言うと、いよいよ家庭騒動が始まるのかという。何を馬鹿なことを・・それより健一をお風呂に入れてよ・・と追い立てた。

健吾は食事のあと野球テレビを見ていた。放送が終了したので健一を寝かせに連れて行った。居間に戻った典子を見て健吾は・・どんな話になるかなという。

率直に聞くけど・・健吾・・。
おう・・。
身構えることはないでしょう・・。
いよいよ典子の話が聞けると思うと面白くて・・。
真面目に聞いて・・。
聞くよ・・。

健吾・・今回の話はまた広子さんの計画でしょう・・。
計画?
この前の土曜日の話よ。
ああ、典子の失敗劇か・・。
なにが失敗劇よ。
昼まで寝ていて・・食事の後片付けもしていなく、シャワーも浴びないでエッチの後の臭いをつけたまま起きてきて・・。
・・そんなことまで聞いたの・・?
広子さんから・・・。

今度のことは面白半分の計画だったのでしょう?
そんな計画じゃないよ・・。
やっぱり計画があったのだ。

あっ・・引っかかった。
前に私を誘導尋問でひっかけたからよ・・。

でも典子は何をわかっている・・?
私を去年の夏に戻るようにしたのは広子さんの計画だった。
何のために・・・?
とぼけないでいいのよ。二子で広子さんと話し合って、わたしをもう一度去年の夏の状態に戻そうとした。
だから何のために・・?
それを聞きたいのは私よ。計画の中味を話しなさいよ。

よく気が付いたな・・・。
何が目的なの・・・?
でもよかっただろうが・・。
ベッドの上のことは話さないと言ったでしょう。
でも社長から聞いた・・。
やっぱり源二さんも関わっているの?
まあな・・。
もう・・・わたしだけのけ者にして。

のけ者じゃない。
じゃあ何よ。
正直に言うと、今度のことは広子さんと俺が二子に行った時にこの計画が出た。広子さんが言うには、典子は去年の夏を卒業していると信じて社長と逢っているがそうではない。いまは問題がないように見えても自覚していないと俺との関係にひびが入る可能性がある。そんなことになる前に・・教育することだと言った。

教育する・・?
お前は社長と距離をとっていると思っているが、心には距離がないことを知らせる必要があると言う。
知らせる必要・・?
一度揺さぶって本当の心を出させる・・。
本心を出させる・・・?
そう・・一度揺さぶられて本心がわかったら解決は自分でつけさせる。それまで放っておくと言う計画だった。

私が健吾と離婚を決意することになってもよかったの?
そうはならないとみんな思っていた。
わからないじゃないの・・。
なる訳がない。社長とも話しているから・・。

ひどいことするのね・・。
そうでもないだろう・・自分のことを正確に知ることは大事なことだ。自分で解決の方向が出ればよいし・・いよいよ困ってくれば相談も自分から持ちかけるだろうと言う。
あの晩相談しようとしたでしょう・・・。
あれは相談ではない。単なる混乱だ。

じゃあ・・いま聞くよ・・健吾。
ああ・・いいよ。
何よ・・偉そうに。

つまり常識を捨てればよいということさ。
どういうことよ・・?
常識のレベルで悩み続けるなら・・・いずれ社長と別れるか俺と別れるかを決断しなければならない時が来る。

常識を捨てて考えたらどうなるの?
簡単さ・・両方とも好きのままでいいだろう。
そんなことってあり・・?
常識じゃないから・・。
単なる言葉の遊びじゃないの・・。
いやそうでもない。
どうして・・・?

広子さんも前にそこで迷っていたらしい・・。社長にも成瀬さんの奥さんにも遠慮しながら成瀬さんに逢っていた・・。だんだん成瀬さんにのめり込んでいく自分を制御できない気がして・・これではいけないと思い切って絢子さんに相談したそうだ。
成瀬さんと一緒になりたいとか・・・?
そんなことではないと思うが・・不安になって・・と言っていた。

私も須貝さんとは一緒になるつもりはなかったよ。
初めは広子さんもそうだった・・でもだんだん違ってきた・・。
一緒になりたい気持ちが強くなってきたの?
正確に言うと社長より成瀬さんが好きになった・・。
それで相談したの・・・絢子さんに・・?

切羽詰まったのだろう。そうしたら常識を捨てて見たらと言われたという。夫以外の男を愛するのはいけないことだと考えるから悩む・・常識を捨てたら悩まなくていいと言われたらしい。

私もそんな気持になってもいいの・・?
そう言うこと。
健吾はそれでいいの・・?
俺と広子さんともそういう関係になりたいから・・・。
そうなの・・・。
不満そうに言うなよ。
いや・・健吾にはちょっと考えられないことだったから・・。

実はもう一つ問題があった。広子さんにしてみれば今回のことは社長とお前の再教育だったみたいだ・・。社長は自分ではわかっているつもりだったのにお前に幻惑されていたと広子さんは見ている。
なんという人なの・・広子さんは。

でも社長は、あの晩の計画はとてもよかった、俺もふっ切れたとか言って笑っていた。
わたしとの最後のセックスの時・・?
そうだ・・。
どうふっ切れたのかしら・・。
これから典子を本当に愛していくつもりだろう。典子もそうなってくれたらわざわざ一緒になる必要はない。

広子さんには一層のこと健吾と須貝さんを取り換えたらという考えはなかったの?
冗談で言ったことはある。でもいまの世の中はそんなことが簡単でないだろう・・・。それに典子は俺と別れるのは嫌なのだろう?
健一のこともあるし・・それに口惜しいけれど健吾も好きだし・・。
口惜しいなんて言わなくてもいいだろう。

広子さんが言うには・・・もともと世間の常識にはないことをしているのだから、いまさら気兼ねなどをする必要はないと言っているみたいだ。
そんなことだったの・・。
まあそういうことだ・・。
そういうことなの・・わかったわ・・。
本当にわかるのはまだ先のことだろうと思うけれど・・。
どういう意味・・・?
典子にとって、社長との付き合いはまだ始まったばかりだ・・男女の関係はこれからだという意味さ・・。
あなた達もそういうこと・・?
俺と広子さんのことか・・そういうことになるかなあ・・。

〈変化する典子〉
突然降りかかった去年のスワップ計画、その結果須貝への傾斜を強めた夏のこと、京都での須貝の思いがけない告白、そして須貝とはセフレだけの関係と思いながらまだ須貝を想い切れていなかった自分の発見・・いろいろのことがあった1年だった。

広子さんは、私が源二さんとの関係で悩むようだったら常識を捨てなさい・・・それができないなら源二を捨てなさいと言っている。源二さんを捨てるより常識を捨てるほうがいい。これからはそういう関係になれる・・。

もう源二さんとどんなに好きになっても健吾に気兼ねなんかしないから・・。いままで健吾のことが心の隅にあって源二さんに安心して抱かれることが出来なかったがそんなこともなくなる。これも新しい男女の関係かもしれないと思う。

未来の社会ではどんな男女の結びつきになるのだろう・・・。社会の仕組みが変われば家庭の在り方は変わり、家庭の在り方が変われば当然夫婦の結びつきが変わる。北欧では結婚の形態が変わりつつある。パートナーとして生活し、婚姻関係にはない人たちが増えている。日本ではまだ多くはないがだんだんそんなになっていく気がする。

パートナーとしての結びつきがそのまま男女の多重関係につながる訳ではないが、単婚社会では見られない関係がその中から生まれて来てもおかしくない。

短期間でそんな変化は起きないと思われているが、そんなことはない。親の時代には純潔という言葉があり、女の子自身がそれを大事にしたと聞いている。いまは結婚までに複数の男と関係するのが普通だ。自分もそうだった。

結婚までに複数の相手と関係することは何も新しいことではない。江戸時代の若者には自由な男女の交流が制度として許されていた。男は夜ばいをして・・女は夜ばいをされて一人前になった。

先進国の法律は、夫婦の関係については一夫一婦制をとっている。それ以外の関係は法律の外のことで、個人的な問題になる。須貝さんとセックスするようになって夫婦間の関係を調べて見たら、1970年代にアメリカの社会学者オニール夫妻が「オープンマリッジ」という本を書いて自由に愛人を作る、社会的、性的に独立した個人を認める結婚のスタイルを提唱していることが分かった。ずいぶん広く読まれたらしいから、この問題はみんな昔から興味は持っていることが分かる。

最近ネットに出ていたから読んだのだけれど、関係者が互いに自由な性愛を持てる関係としてポリアモニーという男女の関係もあるらしい。ポリアモニーは男女の数が異なってもいいが、私たちの場合は二組の夫婦がお互いに自由に行きかうのだから、ポリアモニーというよりグループマリッジというのに該当するのかな。でも共同で生活していないからそうも呼べないわね・・。呼び方はどうでもいいけど、こんなことが言葉になっているなんて知らなかった・・・言葉があるということはそれが存在しているということ・・やっぱりあるんだ・・。

そんなことを考えていたら夏休み期間が終わりそうになった。

学校には毎日出ているが・・授業がないだけに休みはとりやすい。須貝さんに逢おうかな・・・。でももう二週間以上も健吾としていない・・こんな時に須貝さんのところに行くと健吾は気分を害するかな・・・? 常識を捨ててよいと言ったから文句は言わないだろうが、夫婦だから健吾としようか・・・?

優先順位を考えるなんてずいぶん味のない話・・・少し艶のある話がいいなあ・・・。今夜あたり健吾を誘惑しようか。 誘惑なんてなんとなく優雅じゃない・・。健吾は何というのだろうか・・? お前は社長に逢いたいのだろうというに決まっている・・。あいつは皮肉屋だから・・。

〈復活〉
昨夜健一を寝かしつけて、自分の仕事を仕上げたあと、健吾が書斎代わりに使っている部屋に顔を出した。

お暇・・・?
おや・・俺を誘惑するのか・・?
そうだけど・・・悪い?
いや・・。

何を読んでいるの?
京都の書店が出した古民家の雑誌だよ・・・。
そう・・。ちょっと見せて・・。

健吾に近づいて雑誌を受け取った。机を前にして椅子に座っている健吾に寄り添った。健吾は椅子に座ったまま立っている典子の腰に手をまわして引き寄せた。夏の夜もこの時間になると少し気温が下がってきている。白のノースリーブの腋から典子の匂いが流れてきた。外から虫の音が聞こえる。典子は健吾の傍に立ったまま、受け取った雑誌に目を走らせた。健吾の手が典子の腰の周りに動いた。

古民家を扱っている会社の紹介とか・・課題別の特集だ。
古民家を扱っている会社は沢山あるのね・・。
うん・・うちの会社だけじゃないさ。

健吾はこれから本格的にこの分野のことをするの・・?
社長の方針だ・・。
いいな・・いい仕事だと思うよ。
そう思うか・・。
時代を越えて・・いいものを残す。そんなものを扱えるなんて・・・。

施主の要求で不本意なこともあるけれど・・。
あるの? 
あるさ・・。施主が古民家についての知識がない場合。俺自身の力量もあるけれど・・。

それでもいいじゃない・・健吾が作っても悪いものは残らないから。
建造物は長期間残るよ。
悪いものは100年もすると消える・・・。いいものは残るけれど・・・。
考えるスパンが長いな・・。でも昔のいいものを壊してしまうこともある・・。
源二さんもそんなことを言っていたわ・・。
社長といろいろ話しているのだな・・・。
妬ける・・?
自慢か・・?

しない・・?
久し振りだな。
言わないの・・憎まれ口。
憎まれ口・・?
社長の家に送ってやろうか・・とか。
言う訳がないだろう。

言うかなと思っていた。
こんな可愛い女の子に誘われて・・言うわけはないだろう。
・・・・なにが女の子よ。
まだ二十歳代で通用するよ。
おだててもなにも出ないよ。
そうだな・・出すのは俺だった・・。
俺・・・?
中に出すだろう・・。
バカ・・・女の子に言う言葉か。

寝室に移って典子は脱いだ。白のバックレースのショーツをつけていた。健吾が・・この前社長のところへ行く時に準備したのか・・と聞いた。

そうだよ・・・。
やっぱり社長は特別だったのだ・・。
それはそうでしょう・・半年ぶりだったのだから。
だから顔色が変わっていたわけだ。
顔色を見ていたの・・?
視線を避けていたじゃないか。

これからは顔色を変えずに行くと思うよ・・・。まあウインクくらいはしてやるよ。
小憎らしいことを言うなあ・・・。
健吾が好きだから・・つっぱりたくもなるのよ。
適当なこと言って・・。でも・・久し振りだな・・。
うん・・。

ショーツを取ると整えられた股間が現れた。健吾は去年の夏に広子が源二の趣味だと言ったことを思い出した。社長に気を使っているな・・と思いながら抱き寄せたら、キスしてきた。手を尻から前に廻して触り、整えたのかと聞いたらウンとうなずいた。社長の趣味だろうというと・・そんなこといちいち気にしないのという。

俺は社長と趣味が違うけど・・。
全部剃ってやろうか・・。
バカ・・いいよ。
アメリカでははやっているよ。
ここは日本だ・・。

健吾と抱き合うと友達と抱き合うみたい。
俺はお前の男友達の一人かよ・・。
だったら悪い・・?
たくさんいるのか・・。
バカ・・本気にするな。
いてもいいのだぜ・・。

オッパイ噛んで・・・・。
噛んだ方がいいのか・・?
ああ・・脚の先まで響く・・。
あそこ舐めてやろうか・?
いや・・。
社長に取っておくのか・・?
健吾・・いちいち気にしないの。
そうだったな・・。

ねえ・・この前私の交遊範囲が拡がった時に、他の男と体の関係が出来ても問題がないとか言ったよね。
うん・・。
具体的にそんなことが起きると考えているの・・?
いや・・論理的に言っただけ・・。
論理的・・?

一般論だ・・典子の世界が広がった時に・・そんなことを認めないなんて言う意味がないと思っただけ・・。

そんなことをしたら怒る・・?
したいのか・・?
そんなことが起きたら健吾との関係はどうなるのかなと思って・・・・。
社長との関係と同じだと言ったはずだが・・。

その時はその人の名前を健吾に伝えるの・・?
特定の人を想定して話を持ちかけているように聞こえるけど・・そうか?

健吾・・乳首のあたりを広く吸って・・・やわらかく・・ゆっくり・・。
社長の方法か・・?
またそんなことを言う・・。
そうだったな・・。

うん・・あっ・・そう・・ゆっくり吸って。
同じように感じるのか?
いまは健吾だけ・・もう・・いちいち聞かないで。
夫に抱かれて他の男を考えるのもいいとか聞くけど。
そんなの・・・一般家庭の主婦のすること。
典子は一般主婦を捨てたのか・・。
捨てた・・。健吾・・・して。

健吾は典子の首筋や腋下へ唇を這わせていたが、典子は自分で動いて腰の位置を決め、健吾のものを握って挿入を促した。健吾が典子に従った。

あっ・・健吾・・やっぱり健吾ね。
社長とは違うと言う意味か・・・?
また・・・変なこと言わないで・・。
変か・・?
健吾しかいないのよ・・いまは・・。
ありがたいね。
健吾は健吾よ・・・大好き。
嬉しいことを言ってくれる。

健吾がまた典子の腋下を舐めた。

そこイイ・・響いてくる・・。
何処に・・?
知らない・・。

典子は健吾の脚に自分の脚を絡めて抱き付いていた。

あまり動かなくてもいいからそのまま続けて・・。
動けと言ってもそんなに絡めていると動けないけどな・・・。
いいの・・いい気持ち・・ゆっくり動いて・・。

言われる通りゆっくり続いた。そのうちだんだん熱気が感じられるようになり、典子は階段を上った。大きな波に揺られているようだといい、しばらくして大空に抜けていくみたいだと言った。そして最初の頂点で典子は健吾に抗うように体を反らして達した。

最初の波が通り過ぎると、典子はまた四肢を健吾に絡みつけ、ゆっくり動いてねと言う。健吾はまた言われた通りゆっくり体を動かしていると、典子は雲を抜けて飛んでいるみたいだといったあと、来たと言って健吾にしがみついた。

何だか二度ともスーッと昇っていったみたい・・。
自然な感じか・・?
うん・・とても自然にいっちゃった。
もっと時間をかけたほうがよかっただろう・・?
家では自然なのがいいよ。いつでもできるから・・。
もう二週間もしていないぞ。
誘ってくれなかったじゃない。
変な顔をしていたから誘いようがなかっただけさ。
これからもっと誘ってよ。

向こうへは・・?
晴れの日・・・度々は出来ないよ。
俺とは褻の日か・・?
そうよ・・・褻とは日常と言う意味よ。健吾とは夫婦だから。
俺だけが褻の日だけじゃ詰まらんぜ・・。
広子さんがいるじゃないの・・。

いや美人の嫁さんと晴れの日があってもいいだろう。
じゃあ・・どこか旅行に行こうか・・?
夏休みは終わったよ・・。
無理したら土日の一泊旅行くらいはできる・・。
何時も忙しそうじゃない。
でも・・健吾が褻の日だけではつまらないと言うなら・・。
じゃあ・・計画しよう・・。

広子さんが今度のことを計画した理由がなんとなくわかった気がしたの。
どういうこと・・。
相手を本当に好きだと思ったら体の反応が違うの・・。源二さんを本当に愛していると自分が納得した時、私の体が自分とは思えない感覚になったのよ、去年の夏でもそうだったことを思い出したわ。きっとそれを教えたかったのだと思うわ。

俺とではそうならないのか・・?
源二さんのことが心に引っかかっていて、集中が途切れることがあった。でも今日はそれが解けてうれしかった。

これまで社長のところに行く時俺のことが気になっていたの?
そりゃあ・・気になっていたわ。
嬉しそうに出かけたくせに・・。
いくら健吾が許しているといっても頭の隅に、悪いなと言う気持ちはあったわよ・・・。いままでいわなかっただけよ。

セックスしている最中でも・・?
うん・・あった・・。
絶頂の時も・・。
バカ・・。

面白いものだな・・。
何が・・。
精神的なものがそんなに影響するなんて。
するわよ・・。
女ってそんなところがあるのかな・・。

広子さんの計画は・・私が須貝さんにのめり込んでいくとやがて健吾との間に亀裂が入ると言ったのは嘘だと思う。私が須貝さんにのめり込んでも健吾と別れるはずがないと広子さんは分かっていたはずよ。
わかっていた?
あんな頭のいい人が私の心が読めないはずがないわ。
でも俺にはそう説明した・・。
そう説明したら簡単だから・・・。

何だ・・俺や社長が踊らされたのか?
そうだと思う・・いやきっとそうだよ。健吾を忘れて須貝さんと愛し合えば別の次元のセックスになると言うことを教えたかったのよ。
そうだろうか・・? 俺には典子のことが気になるからと言ったのだが。
あの人は・・考える次元が違うのよ。
そうだろうか・・。
そうなの・・多分広子さんは男女の愛情関係は法的関係には縛られないと考えているのよ。
どういうこと・・?

夫婦だから愛し合うのではなく愛し合うから夫婦なの。
それは当たり前のことだろう・・。
もっと言えばお互いが愛し合っていれば夫婦でなくてもいいの・・でもそれは相手が既婚者ならその配偶者の理解が前提。その理解がなければどんなに愛し合っていてもトラブルを抱えるから二人はいい関係にはなれないということ・・。広子さんはそんなことを教えたかったのだと思う・・。だから私は健吾も大好きで、しかもこのことに理解があるから丁度いいの・・。
そんなところだろうな・・。

話は違うけれど健吾は広子さんと逢っているの?
報告しなければいけないのか・?
だって・・源二さんはみんな話すみたいだから・・・。
話す必要があるのか。
聞きたい気もするけど。

ここのところ仕事が忙しくてあまり逢っていないのだ・・。
可愛そうじゃない・・。
広子さんが・・・?
健吾に逢いたいみたいだよ。
あの人のことを心配することはない・・。
どういうこと・・?

気が向いたら成瀬さんのところにも逢いに行っているよ。二子の成瀬さんの家にお邪魔した時の会話からわかったのだけれど・・。
そんな話だったの。
うん・・。
そのことについて源二さんは・・?
気にしていないみたいだよ。
健吾はそれでいいの?

社長のことだ・・どうでもいいじゃない。
いいのね・・。
どういう意味・・・?
これからは私が広子さんみたいになるのよ・・。
好きな時に社長に逢いに行くと言うことか?
そうなるでしょう・・。
広子さんが家に居ても乗り込むのか・・?
乗り込むだなんて・・。広子さんに話はするわよ・・。

広子さんが居てもいいのか・・?
この前・・見られちゃったし・・もう気にならないと思う。
その時俺も一緒に行ったら・・?
えっ・・あなたは広子さんと・・?
そうなるけど・・。

いやだ・・広子さんそんなことを考えていたのかしら・・。
次元の違う人だから・・。
それはいやよ・・いくらなんでも・・。
いやか・・?
好きな人といる時はその人だけよ・・。そこに健吾が居たら気持ちが悪い・・。
なんということを言うんだ・・・亭主に向かって気持ちが悪いだなんて。

                     第6話 完

第6話で「小田原物語」の第1部は終わりました。これから典子がどんなに変わっていくかわかりません。典子の気持ちが変化して典子が新しい世界に入っていった時にまたお話します。坂口健吾

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