私立蜜飴女学院2
フラフラと覚束ない足取りでアズサは寮に戻るため廊下を歩いていた。
他の女生徒も静かに寮に向かっている所を見ると、友達とではなく、ひとりで受験した子が多いのかもしれなかった。
(それにしてもこの学校…。普通に考えたらおかしいわよね…)
段々頭が冴えて来ると、自分のしたことが恥ずかしくなってくる。
しかしその気持ちとは裏腹に、歩きながら下着の中が熱くなってくることにアズサは気付いた。
(ん…なんか変な感じ…)
下着が濡れているからじゃない。
さっきいじられた部分がほてって、何かが足りない気持ちになる…。
いつしかアズサは足早になり、バタン!と自分の部屋に飛び込むと閉めたドアにもたれた。
『は…ふぅ…』
アズサの頬は桜色に染まっていた。
そのままズルズルとドアに体重を預けて座り込み、軽く足を曲げ濡れて気持ち悪い下着を膝までずらした。
(やだ…私…なんか変…)
アズサはもはや吐息のような呼吸になっていた。
自分の指先を熱くなった場所へ持って行き、そっと触れる。
『あっ…』
もうそれだけで粘り気を持った蜜を感じる。
『もっと…もっとぉ…』
いつしかアズサは譫言のように呟き、さっきしてもらった気持ち良さを探っていた。
(こう…して、こうやって…)
閉じた熱い唇を左の人差し指と中指で押し広げた。
(あぁ、スゥスゥする…)
右手の中指で、固くなった小さな突起を震えるようにクニクニ触る…。
『あぁっ…はぁん…うぅぅんんっ!』
ビリビリした感覚が体を貫く。
(あぁ、もうどうにでもしてぇ!)
そう思った瞬間、頭が真っ白になった。
『…ふ、うぅ…』
上がった息を整えて、ヨロヨロと立ち上がり下着をかえた。
空気を入れ換えようと、窓を開けた。
外は夕暮れ。
茜色に染まった畑や水田が遠くまで広がり、山々はうっすらと夜の色。
(きもちいい…)
汗ばんだアズサの肌を撫でるように風が通り過ぎていく。
アズサはクルリと部屋を見回した。
夕日はアズサの部屋にも差し込んでいる。
白い壁が朱く染まりアズサの影を映す。
ヨーロピアンテイストで揃えられた調度品。
ベット際の壁は凹凸のある石のタイルになっていて、まるで中世のよう。
床は板張りで、暗い飴色が年代を経た美しさを放つ。
(私はここで高校生活を送るのよ…)
髪をかき上げ、アズサは微笑んだ。
リンゴーン♪リンゴーン♪
『あっ』
夕飯のチャイムである。
アズサは急いで制服を着替え始めた。
ちょっと変な私立蜜飴女学院。
しかしこの立地と学院の持つ雰囲気が、普通の感覚を鈍らせ封じ込めていた。
たいていの少女は同じ気持ちであった。
…しかし、そうでない少女もここにいた。
『信じらんない!何すんのよ!』
体育館の出口で、鋭い目付きを先生に向けるショートカットの少女。
そしてその後ろに小柄で愛らしく怯えた瞳。
ふわふわ栗色のロングヘアがフルフルと震えている。




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