見えない鎖3
これは話の続きです。はじめから読まれる方は「見えない鎖」から読んでください。
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梨花は助手としてよく働いた。
雨の日にも炎天下での実習にも、率先して働き憲次の良き助手としての目的を果していた。
梨花自身、自分で選んだ専攻科目だったが、これ程までも考古学に夢中になれるとは思ってもみなかった事だ。
それは、助教授である憲次の存在が深く関係している事に、彼女自身がまだ気付いていなかっただけなのだが――
綺麗な留学生イコール『お高く留まった美人』と認識して退いていた生徒達も、梨花の甲斐甲斐しい働きに、徐々(じょじょ)にではあったが距離感が縮まり、やっと打ち解け始めた処だった。
梨花は、この日も炎天下の遺跡発掘現場に居た。
遮光シートで発掘現場を覆い、その中での緻密な作業になった。
容赦の無い真夏の陽射しに地面は素足で歩けない程に熱せられ、ゆらゆらと陽炎(かげろう)が立ち昇っている。風通しを配慮してはいるものの、シートの中は、とにかく暑い事には違いなかった。
「うーっ、あちー」
「こんな日ぐらい、休みにすれば良いのに……」
「熱中症になっちゃうよ~」
「死ぬう~」
生徒達からの不満の声がそこかしこで囁(ささや)かれる。
梨花は用意していた紙コップに冷たいお茶を汲(く)み、トレーに載せて足場の悪い現場を渡り歩いては、それを配って行くのを繰り返していた。
「梨花さぁーん」
背後から呼び止められた。








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