春爛漫
「ねえ、もう一軒行こう」
私はこの春から大学4年になった。
2人の進級記念、と称して、同じ学科の拓真(たくま)と私は居酒屋をはしごしていた。
「はぁ? まだ飲むの?」
拓真は呆れたようにため息をついた。
「うん。まだ飲むの」
「しょうがねぇなぁ……。って言っても俺もうお金無いよ」
拓真は自転車を押しながら、時折ふらつく私の足下を見ている。
「私も無いの」
「じゃあ帰ろうぜ。もう1時回ったし、明日も講義あるだろ」
「ええー」
あからさまにがっかりして見せた。
確かに平日だけど……、もう4年生だから講義も多くないし、1日ぐらい休んだって大丈夫よ。
そう言おうとしたとき、
「じゃあさ、俺んち来る?」
拓真が眉をしかめて、嫌々そうに呟く。
「行く!」
私は小学生みたいに手を挙げて、拓真に向き直った。
「飲むだけだからね、飲むだけ」
「分かってるって」
「どうだかなぁ……」
拓真の苦笑を横目に見ながら、すでにカラダの中心が火照り始めるのを感じていた。
* * *




(22) 



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春は気持ちも高ぶりますね(^^)
草花も虫も動物達も本能のままに・・・私も(*^^*)
コメント by 熊五郎 — 2010/4/22 木曜日 @ 18:10:19