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lov  蒼き海底を目指して・・・

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雨は夜遅くまで降り続いた・・・・


翌朝は打って変わって清々しいほどに晴れ渡り、昨夜の二人の淫靡な交わりを青く高い夏空が払拭させていくようであった。

「あずさ、今日は旅の最後の日だから思いっ切り海で泳ごうな!・・・現実に引き戻されるのは辛いけどな・・・」
「うん!もっちろん。 あずさ・・・愁と過ごしたこの三日間を一生忘れないと思う。・・・だから愁も忘れないでっ」

私達は心ゆくまで二人だけの時間を慈しみ、心から堪能した。
海の家で借りたゴムボートに乗り込み、私達は蒼い海原をゆらゆらと漂っていた。
真夏の眩いばかりの陽射しを全身に浴び、閉じた瞼の裏に橙色の明るい色彩が浮かんでくる。
ゆっくりと瞼を開け、私は覚悟の言葉を紡ぎ始めていった・・・・

「愁・・・昨夜あずが言ったこと・・・本気だから。 愁を誰にも渡したくないの!お願いだから・・・姉さんなんかとは別れてあずだけの‘モノ‘になって・・・・ねぇ!愁・・・」

ずっと黙り込んで話を聞いていた彼に縋りつこうとしたその瞬間! 私の小柄なカラダが愁の大きな掌で弾き返され狭いボートから夏の群青色の海原に突き落とされた―――

(愁・・・・なんで・・・そんなにあずが疎ましかったの?そんなにあの女を愛してると言うの?私を殺したいくらいに・・・・)

一瞬、音が濁った。
波頭が砕けていくように・・・・
瞼を閉じる間さえも無かった。

私は見開いたままの眼で、ゆっくりとした速度で遠ざかってゆく蒼き海面を虚ろな感情でただ見つめていた―――
海面から降り注ぐ光の幾筋の帯を心底綺麗だと思った。
手を伸ばせば届くような・・・この身を纏って浮かび上がらせてくれる気がして・・・・
水圧と温度で圧迫感を覚え、徐々に息苦しくなってくる。
意識が混濁し、正常な思考が阻まれる。

(このままどこまでもこの身を運命に預けてみようか・・・何度も死にたいと思ったのに・・・今は何故か生きたいと願う)

―― 全身で愛した男からの予期せぬ裏切りが冷たい海の温度にも似て ――

不意に愁の顔が脳裏をざわざわと掠めた。
消え行く意識の中でも思い出すなんて・・・
保身の為に私を死へと追いやった男なのに・・・
何故に最後まで忘れられない?

身体が浮かび上がらない・・・一体どこまで私の身体は沈んでしまったのか・・・
どこまでも深く、深く海底目指して突き刺さってゆく私の身体。
今はもう海面から射す光すら見えなくなっている。

さようなら・・・・愁。 私がやっと出逢えた運命の人よ・・・

静かに・・・そしてゆっくりと確実に私の身体は蒼き海底を目指して沈んでゆく―――
<了>

Written by 七瀬涼香
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コメント (2) »

  1. 私の妻にも妹がいます。独身の妻の友達もいます。
    だけど。。。リスクが大きすぎるので妄想だけにしましょう(^^)

    コメント by 熊五郎 — 2010/5/22 土曜日 @ 22:21:53

  2. 熊五郎さん いつも拙作にコメをありがとう★

    そうですね^^
    やはり、近親者とのアバンチュールはリスキーですもんね^^;
    妄想に留めておくのがいいかと(汗

    コメント by 七瀬涼香 — 2010/5/23 日曜日 @ 1:22:18

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